Details 【 ひらみつギターの特徴 】

ギターが「楽器」である限り音響面のみならず演奏性にもこだわらなければならない。ひらみつギターは音質の追求はもちろんのこと、プレイヤーにとって「弾きやすいギター」であることも常に意識し、素材、技術に様々な工夫をこらしギターを製作しております。

素材を極める

Top、Backは20年以上、黒檀は15年以上自然乾燥させた材を使用しております。

材のエイジングはギターの音質を左右します。Tone woodの基本は充分に乾燥された材であるということ。しかもそれは自然乾燥に限られます。単に含水率を下げるだけならば人工乾燥という手段もありますが例えばトップのスプルース。スプルースは長い年月をかけることにより変化した樹液成分がスプルース自身をも変化させていきます。良質な音はこの変化した樹液成分にありそれらは年月に頼るしかありません。良好な材は音質以外にも重要な意味を持ちます。木は製材後から乾いていく間は暴れに暴れ、10年以上の年月をかけようやく落ち着き始めます。これは人工乾燥による含水率の低下だけではなし得ません。ギターのトラブルの多くは材料の自然乾燥の未熟さからおこります。ネックトラブルはネック材よりも指板の黒檀に起因します。黒檀の暴れは木を育てている者にしか知り得ないほど激しいものです。

演奏性の追求 / Persuite of Play Abilities

トーンアビリティーとプレイアビリティーの共存

ローポジションからハイポジションにかけ自然な手首の動きを実現させ、高音弦のテンションも維持することのできるトーションネック。その他にも可変ピッチピンホール、ナットサポート等、様々な工夫によりトーンアビリティーとプレイアビリティーの共存を目指しております。

Torsional Neck【トーションネック】

ねじれ角をつけセッティングされたネック。クラシックギターでは近年使われることにある手法であり、ローポジションにいくほどネックが手首側に寝ているためポジションにあった自然な手首の動きがえられます。もちろんネックの角度のみで実現されるわけでは無く、指板の削りにさらなる工夫があります。一見しただけではネックのねじれに気づかぬ方も多いのですが、試奏後には納得していただけることと思います。ネックのジョイント部を水平(0度)に設定し、ナットを数度の角度で1弦側(手首側)に傾くようにネックを仕込みます。ネックがリーフレットにいくほど手首側にねじれているためローフレットからハイフレットに移行するときの手首の角度も人間工学的に無理がありません。また、このねじれの結果1弦側が6弦側に比し、ネック角が強くなるため高音弦の発音に強さ、張りがでます。ハイフレットでの音の潰れも少なくなり低音から高音にかけて音響的にバランスのとれた楽器となります。ネックのねじれにかかわらず正確な音程、郭弦に均等な弦高を得るためには指板のあーる頂点を0フレット部から終盤にかけ、対角線に走るように精密に削りだす技術が必要です。

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Front contour & Back contour【コンター加工】

ギターを抱えた時に胸、腕へのあたりを和らげるコンター加工。一般的なフロント側のコンター加工に加え、バックコンターは胴厚の深いボディタイプのギターには効果を発揮します。さらにカッタウェイ部分につけられたコンターはヒールレスネックと相まってハイフレットの運指を可能にします。

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Heal-less neck joint【ヒールレスネック】

ひらみつギターではネックの接合にはダブテイル(あり溝)ジョイントを用います。通常のダブテイルジョイントにはボディとの接合部にヒールがつきものです。ひらみつギターではダブテイルジョイントでありながらヒールレスネックを実現しました。カッタウエイを施してもネックにヒールが存在していてはハイフレットの運指は思ったほどは楽になりません。カッタウエイ、ヒールレスネックを一度経験するとその実力にお気づきなられることでしょう。

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ひらみつギターのデザインチャレンジ

アコースティックギターは音響楽器をして構造上の制約から類似性のあるデザインに落ち着きがちです。先入観にとらわれ伝統的な手法に疑問を感じず製作していくことがあります。ギターの細部をみわたせばデザインチャレンジを施す余地はまだまだ残されております。もちろん楽器としての成り立ちに自信があるからこそできるチャレンジ。新しいデザイン技法の積み重ねにより、ギター本来のオーセンティックなデザインを踏襲しつつもひらみつギター独自の世界を構築していきます。

Concaved Head【コンケーブヘッド】

スロテッドヘッドはペグ固定のため側面に平面が必要であり、サイドカットが直線的になりどれも似たような形状に陥りがちです。スロテッドヘッドをもっと自由にデザインしたいという思いからコンケーブヘッドと名付けたひらみつギター独自の工夫を施しました。コンケーブヘッドは側面のざぐり加工によりペグ埋め込み固定をしたヘッドです。これによりヘッド毒面にサイドカーブをもたらすことができます。従来の立方体的なヘッドデザインから解放されスロテッドヘッドに流れるようなボリュームを与えました。ひらみつのギターデザインチャレンジです

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Covered Head【カバードヘッド】

ヘッドストックはネック材と一体で削り出されるため、装飾にはヘッド前面に2mm厚ほどの化粧板を貼るツキ板装飾を用います。しかしツキ板装飾では正面からの表情は美しいのですが無垢感に欠けます。カバードヘッドはマホガニーヘッドの表面の凹凸に合わせてブロック状の装飾材の内面をくり抜きマホガニーのヘッドストックをすっぽりと覆う技法です。カバー部とマホガニー本体の隙間は0.15mmで設計しています。ヘッド上端に滑らかな曲面が表現でき、木目のつながりが無垢な木質を感じさせます。

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mosaic bridge【モザイクブリッジ】

ブリッジ材は強度が必要なためハカランダ、エボニーにかぎられます。そのため色彩的には単調になりがちであり、時としてデザイン面の弱点となります。モザイクブリッジはブリッジ前面をザグり加工しそこに装飾材をジグゾーパズルのようにはめ込むことによりブリッジに表情をあたえます。あたかも装飾材で作成されたブリッジのようですがエボニーのしっかりしたブリッジボディは健在です。

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Controlled arrangement of the bridge pin holes【精密ピッチブリッジホール】

ひらみつギターのブリッジはピンホール間隔が均等ではありません。弦の太さを考慮して低音弦側にいくにつれピンホールピッチを0.1mm刻みで広くしています。ひらみつギターのブリッジはピンホール間隔を均等に配置していません。低音弦は太いため、ブリッジピンを等間隔で配置すると低音弦側ほど弦間隔が狭くなってしまうため、低音側になるほどピン間隔を正確に0.1mm刻みで広くしています。これにより右手のフィンガリングの違和感が減ります。ひらみつギターのプレイアビリティーへのこだわりです。(全モデル採用)

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Original bridge pins【hiramitsu-ブリッジピン】

従来のブリッジピンは先端が単純な円錐形のため、ボールエンドがピンに密着できず固定が不安定になったり、長期間の使用により先端の欠け、割れが発生することがあります。ひらみつギターオリジナルのブリッジピンはボールエンドがフラットに密着、固定されます。欠け、割れの発生を防止するとともに、確実な固定が弦振動の伝達にも有利と考えます。さらにピンヘッドのデザインにもこだわりました。

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※ ご紹介した各仕様は、ラインナップごとに搭載仕様は異なります。オプションとしては承っておりません。